Safari でのクラッシュを修正 ― 2006年11月21日 20時13分
Safari でこのブログを見るとクラッシュすることがあった問題ですが、私の書いたスクリプトに原因がありました。
var Klass = function () {
if (this.constructor != arguments.callee)
return new arguments.callee();
/* Initialize object... */
};
これは「クラスの機能と関数の機能を併用」を基にしたもので、Klass()
のように関数として呼び出されたときも、new Klass()
と呼び出されたときと同じく Klass
オブジェクトを返すための処理なのですが、これが期待通り働くためには Klass.prototype.constructor == Klass
が成り立っていないといけません。しかし、Safari には関数式により作られた関数オブジェクト f
に関して、f.prototype.constructor
が設定されない (f.prototype.hasOwnProperty("constructor") == false
となる) というバグがあるため、条件式が常に真と判断され、結果無限再帰に陥りクラッシュしてしまうようです。
修正案として真っ先に考えられるのは Klass.prototype.constructor = Klass
と明示的に constructor
プロパティを設定することですが、これを書いている途中でそれよりも条件式を !(this instanceof arguments.callee)
にしたほうがいいと思い当たりました。でないと以下のような場合に不具合がおきます。
function Super(x) {
if (!(this instanceof arguments.callee))
return new arguments.callee(x);
this.x = x;
return this; // SpiderMonkey での警告を避ける
}
function Sub(x) {
Super.apply(this, arguments);
}
Sub.prototype = new Super();
Sub.prototype.constructor = Sub;
print(new Sub(42).x); // 42
// if (this.constructor != arguments.callee) だと
// new Sub(42).x === undefined となる
しかし Safari がクラッシュするというのならアクセス解析に残っていた Safari の記録は何なのだろうと思って見直したら、どうもアクセス解析にあるのは Safari 2 (WebKit のビルド番号 400 番代) だけみたいです。原因となったバグ自体は Safari 2 でも直っていないのでエラーは出ているはずですが、クラッシュはしないように修正されたのでしょうか。
それにしても Safari を使っている人には 2 か月近くこのブログはブラクラと化していたわけで申し訳ないことです。おまけにこのバグは Safari の JavaScript の不備にも載せてあったもので、自分で引っかかるとはまったく情けない限りです。
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