アサブロはどこへ向かっているのか2008年06月03日 01時49分

いやあ、萌えキャラ作ってる場合じゃないですよ。それよりも spam 対策を。コメント / トラックバック数制限なんてコメント / トラックバック欄を閉じてるのと変わりないですから。

ちなみにアサブロたんを描いてるのは誰なんでしょうね?

緑川ゆきさんサイン会 (2 回目)2008年04月02日 01時34分

先日東京は八王子で開かれた緑川ゆきさんのサイン会に行ってきました。予約開始日の夕方になってそのことに気づき、もうだめだろうけど一応確認だけと思って電話を掛けてみたらなぜか予約が取れてしまったので、何とか当日までにやることを片付けていそいそと出発。

整理券兼アンケート用紙を受け取ってファーストフード店で昼食がてら記入し、書店に戻ると会場の地下 1 階から階段に沿って 6 階まで続く長い列。前回と同様 1 時間半近く並んでのご対面となりました。会場には丸提灯が吊り下げてあったりしたようですが緊張のためまったく目に入らず。言葉を交わした内容もよく覚えていませんが、握手もしていただき大満足のサイン会でした。

[冬絵・展 vol. 4 のチケット] [たこ焼き屋「HACHI-HACHI」] [熊本市電辛島町停留所] [熊本市電国府停留所]

写真の前半 2 枚は東京へ行ったついでに足を伸ばした冬目景原画展「冬絵・展 vol. 4」のチケットと、帰りに寄った富山県高岡市にあるたこ焼き屋「HACHI-HACHI」さんです。アニメ「true tears」に出てくる今川焼き屋「あいちゃん」のモデルとなったお店ですね。true tears やら何やらを見てからだと、昔はテーマが受け入れられなかった「蛍火の杜へ」収録の「ひび、深く」も切なさが胸に残ります。

後半 2 枚は後日九州を旅した際に通った熊本市電の辛島町停留所と国府停留所です。ここから名が採られた二人が活躍する「あかく咲く声」も 5 月に文庫化とのこと、発売日が待ち遠しいです。

そして待ち遠しいといえば「夏目友人帳」のアニメ化。雰囲気が似てるといわれることもある「蟲師」、スタッフの一部がかぶる「灰羽連盟」はともにすばらしいアニメでしたので、それらに匹敵するような作品となることを祈っています。(特に蟲師第 1 話「緑の座」、第 2 話「瞼の光」は、緻密な蟲の描写もさることながら、少年と少女という構図が私の好みにぴったりでした。「緑の座」の彼女を少女というのはちょっと違っているかもしれませんが。)

(ちょっと) 前に読んだもの 2007 年 5 月2007年05月18日 07時17分

結局連休中に積読を 1 冊も消化できなかった。

嘘シリーズ (清水マリコ、イラスト: toi8)

タイトル + イラスト買いで「侵略する少女と嘘の庭」読了後、「君の嘘、伝説の君」「嘘つきは妹にしておく」と逆順で読む。が、完全に失敗。刊行順に読むべきだった。のっけからファンタジー全開の「妹にしておく」を最初に読んでいれば、「嘘の庭」で話の解決の際突如現れる不思議要素に面食らうこともなかっただろうに。「嘘の庭」の中盤までの、当たり前だった関係が侵食されていく様は好みだっただけに残念。シリーズを通して男の子の雰囲気が素敵。

とらドラ! (竹宮ゆゆ子、イラスト: ヤス)

わたしたちの田村くん」が良かったので購入。「幸福の桜色トルネード」未読。面白いけど個人的には田村くんのほうが好き。私がライトノベルに求めるのは、ラブコメよりも青春物なんだなと気づかせてくれた。

本編はさておきスピンオフ。ことあるごとに不幸が襲い、入学直前に内臓を患って入院、一月遅れで入学って、それなんてスカちゃん? 生徒会長は忍先輩ではなく光流先輩タイプみたいだけど。「不幸の星」をスカちゃんの枕詞として認識し、連休中に「GW」という表記を見るにつけ「ここはグリーン・ウッド」が思い出されて仕方なかった私にとって、これはとらドラ中最大のネタかもしれない (意図したものかどうかはおいといて)。スピンオフ続編のあらすじを見る限りでは恋のお相手はすみれちゃんタイプのようで、これはこれで楽しみ。

“文学少女”シリーズ (野村美月、イラスト: 竹岡美穂)

タイトル + イラスト買い。4 巻未読。1 、2 巻を読んだときは無性にいらついて仕方なかったけど、時間が空いて 3 巻を読んだら、何にいらだっていたのか思い出せないほどに面白かった。

心葉くんの澄ました態度とか、1 巻本文に全然出てこない琴吹さんとか、2 巻の琴吹さんの狙ったような言動とか、「ツンデレ」という語を文中に使ってくるところとか、気に入らなかった要因はいろいろ挙げられるけど、一番は「文芸部」に嫉妬心を持ってしまったことかも。

楽描倶楽部 (Amazon で検索したとき、1 ページ目に某ゲーム関係しか出てこないのに絶望した) や光画部には素直に入りたいと思うし、「N・H・K にようこそ!」の文芸部には入りたいとは思わずとも妙なリアリティを感じるのに、この文芸部にはどうにも反感を覚えてしまうというか。前三者ならその中にいる自分が想像できるのに対し、これに関しては自分の入る隙間がないと思うのが原因かもしれない。

嵐が丘 (E・ブロンテ、訳: 田中西二郎)

“文学少女”と飢え渇く幽霊」に触発されて手に取るも、読むのがつらかった。キャサリンに無学を馬鹿にされたヘアトンが、耐えかねて本を暖炉に投げ込むシーンなど、気が滅入ってこちらまで本を投げ出したくなる。それと、キャサリンの娘がキャサリン、リントンと名のつく人物が 4 人も 5 人もいて、段落が変わると指している人物も変わるなど、登場人物紹介を見ながらでないと頭がこんがらがってしまう。

狼と香辛料 IV (支倉凍砂、イラスト: 文倉十)

ポテトチップスガーリック味を買ったと思ったら、キャラメルポップコーンが入っていたという感じ。まあどっちもおいしいからいっかみたいな。ロレンスたちの緊迫感には欠けるけど、二組のお熱い様には満足。ただ、そういう様を求めるのなら支倉凍砂である必然性はないかなというのがちょっと気になった。

All You Need Is Kill (桜坂洋、イラスト: 安倍吉俊)

タイトル + イラストレーター買い。時間物が私の好みということを差し引いても、一気に読ませてくれる。他者には決してわかりえないであろう境遇の共有というのに、心のどこかで孤独を感じている人間は引き込まれるのかもしれない。(共有ではなく理解だが、「ヒカルの碁」の「ボクだけがわかる」には思わず身もだえしてしまった。) 安倍さんのイラストもすばらしい。

学校を出よう! (谷川流、イラスト: 蒼魚真青)

個人的には 5、6 巻が一番好き。特に宮野の上層下層に関する考察は、読んでいて体がゾクゾクした。加算無限を考慮していないのはご愛嬌か。それから、涼宮ハルヒシリーズに関して、「実はキョンが神ではないかと考えるのは誰もが通る道」というのに引っかかっていたのが、学校の 1 巻を読んで納得した。確かにこれなら誰もが通る道だ。

絶望系 閉じられた世界 (谷川流、イラスト: G・むにょ)

エロい、グロい、わからない。さすがは奇書といわれるだけある。納得するためには何度か読み直さないといけないだろうけど、その気がおきない。

銀盤カレイドスコープ (海原零、イラスト: 鈴平ひろ)

読むとこっぱずかしくなりそうと思って敬遠していたけど、実際に読んで後悔した。確かにリアとのパジャマパーティー (?) など、そういった部分もあるけど、全体的に熱い展開が山盛りで、特に9巻の予想も付かないアップダウンの激しさには、どうしたって燃え上がるというものだ。しかし、これと「銀のロマンティック…わはは」を読んでしまうと、ほかのフィギュアスケート物が読めなくなってしまうな。

秒速 5 センチメートル2007年03月31日 20時48分

風邪を押して行ったらずるずると長引いてしまい、感想を書くのも遅くなってしまいましたが、新海誠監督の『秒速 5 センチメートル』を見てきました。しかも舞台挨拶とサイン会つき。

新海作品を劇場で見るのは初めてで、全編を通してその輝きに満ちた美術に圧倒されっぱなしだったのですが、中でも第一話「桜花抄」には完全に心を持っていかれました。転校、文通、再会という流れは完全に私のつぼですし、ジャンプの表紙に『とっても! ラッキーマン』(?)、部屋にはスーパーファミコンという時代設定まで私と重なります。おまけに『耳をすませば』を思わせる図書館の貸し出しカードの描写もあったりして、まさしくこれでもかこれでもかと畳み掛けられる気分です。(関係ないけどおにぎりでかすぎ!)

それだけに、続 2 編での彼らのあり方には切ないとしか言いようがありません。現実世界ではむしろそのようなあり方のほうが普通であろうだけに、ここでもやるのかと胸を締め付けられます。ラスト、前を向いて歩き出した貴樹とは逆に、過去への悔いが胸に残った作品でした。

新海誠監督と西村貴世作画監督の舞台挨拶は風邪で頭がぼうっとしながら聞いていましたが、覚えているところだけいくと、コマ数は 2 万枚、人物の塗りも背景の塗りと同じく Photoshop で塗っていったので、背景にキャラが載っているという感じではなく、同じ世界を動いている感じにできたとのことでした。今しかできない、今やらないとだめな作品をと思って作ったとも語っていましたが、これは第 1 話の舞台が 1995 年、第 2 話が 1999 年、第 3 話が現在 (2006 ~ 2008 年?) というのを見ても納得です。また、貴樹にも明里にも花苗にもまだまだ広大な人生が待っているわけで、見た人の明日を生きる力になるような映画であってほしいともおっしゃっていました。

サイン会の開催は舞台挨拶中に明かされたもので、うれしい驚きとなりました。ネコのロゴ (一瞬クマ? と思いましたが、新海監督ですからネコですよね) も添えていただき、握手もいただくなど、大変気さくな雰囲気でした。このようなすばらしい作品を制作し、関連企画を実行してくださった新海監督、西村作画監督はじめ関係者の皆様には感謝するばかりです。

最近読んだもの (2006 年 12 月)2006年12月22日 00時48分

積読がどんどん増えていきます。正月にどれだけ消化できるでしょうか。

戦う司書と恋する爆弾 (山形石雄)

タイトル買いが成功。「戦う司書」は置いといて、「爆弾」――人間爆弾に改造され、人の心を奪われた少年――の恋する様がすばらしいです。決して手の届かないところにいる二人が、お互いを心の芯に据え行動するという構造が見事。

小公女 (バーネット、伊藤整訳)

アニメ『奏光のストレイン』(登場人物の名前が小公女から採られている) が面白かったところに、たまたまブックオフで見かけたので購入。主人公の名前が「サアラ」となっているのはすべて「セーラ」に脳内変換して読みました。何というか、妄想想像力の勝利ですね、これは。つらい境遇に落ちた少女が想像力を働かせ耐え忍んでいたら、財産が転がり込んできて想像が現実になりましたよというお話です。何が面白いかといえばサアラが単なる聖人君子ではないところ。人形は人形でしかなく、動き出して自分を慰めてくれないのは仕方のないことだという例えに「ラヴィニアやジェッシイにものがわからないのと同じことなのね」と言ってのけるあたり黒すぎます。

読み終わったあとで青空文庫菊池寛訳があるのに気づいたのですが、これがまたすごい。「宮様」と書いて「プリンセス」とルビが振ってあります。それならタイトルも「小宮様」とすべきではと思うのですが、なぜかそこだけは「小公女」。伊藤整訳で「肉まんじゅう」となっている食べ物が何なのか思っていたら、こちらでは「肉饅頭(ミート・パイ)」となっており疑問が解けました。

わたしたちの田村くん (竹宮ゆゆこ)

タイトルだけ見てハーレム物かと遠慮していたのですが、泣けるという話を聞いて手に取ってみました。……自分の過去と照らし合わせて心に突き刺さってきます。文章はあまり好みではありませんがストーリーを思い起こすとじわじわときます。私に田村くんの 10 分の 1 の甲斐性でもあったならばと中高生時代の自分を呪わずにはいられません。いや、当然のごとく板ばさみの恋に悩まされることなど欠片もなかったんですが。いろいろな意味で走ってこその青春ということを再認識させてくれます。

それにしても、この作品に限らず、皆さん遠めに見ただけの人物をよく覚えていますね。元来人の顔と名前を覚えられず、佐々木倫子の忘却シリーズを読んだときにこれは自分だと確信した私にとっては、まったくうらやましいを通り越して感心するばかりです。そんな私は那州雪絵の至言「もてたかったらまず忘れてはいけない」をかみ締めて今日も生きていくのでありました。

よくわかる現代魔法 (桜坂洋)

  1. よくわかる現代魔法
  2. よくわかる現代魔法―ガーベージコレクター
  3. よくわかる現代魔法―ゴーストスクリプト・フォー・ウィザーズ
  4. よくわかる現代魔法―jini使い
  5. よくわかる現代魔法―たったひとつじゃない冴えたやりかた

サブタイトルにひかれて購入。GhostscriptJini は全然使ってないけどガベージコレクタには日ごろから大変お世話になっています。「たったひとつじゃない冴えたやりかた」に TMTOWTDI がかけてあるのはうまいと思ったけど本文には出てきません。ドジな女子高生が、コンピュータを駆使して「コード」を組み上げる「現代魔法」と関わっていくお話です。

コンピュータネタはわかるけどゲームネタ (?) はよくわからず。どうも全体的にネタの組み込み方が甘く、そのネタを知らないと楽しめないつくりになってしまっているような気がします。それから主人公の友人の C と Perl ができる女子高生に違和感が。単にプログラミングができるというだけなら別にいいんですが、スナックと炭酸飲料を好む生活態度まで Geek な女子高生というのはちょっとね……。案外そういう女子高生もいたりするんでしょうか?

主人公の使う魔法にたらい―― TV のコントで降ってくるような金たらい――の召喚があるのですが、ちょうどたらいを回した後だったのでこれには大笑い。師匠の専門は関数型言語ときましたし、これは最後には遅延評価による高速たらいまわしとかでてくるんですよね!? 遅延で高速というのも字面だけ見ると妙な話ですが。

しかしコンピュータネタメインのライトノベルというのはなかなかないですよね。水無月ばけらあたりが『友井町セキュリティホールバスターズ』なんて書いてくれたら絶対に買うんですが。